●ヨシイによる怒濤の全曲解説

●目醒めのブルース
ブルースと言ってもまったくブルースではないのがミソ。4人になったヨシンバのシンプルさと勢いを一番端的に表していることもあり 栄えある第一曲目に選ばれました。 99年頃にすでにデモは作っていましたが、しばらくの間お蔵入りに。その後キーも歌詞も構成も数えきれない程変更しまして、複雑な構成の割にはサラッと聞ける(?!)今の形に収まりました。世間を流れる様々なブルーな出来事に動揺しながらも自分の世界へ埋没せざるおえない男の話。でも未来に小さいながらも希望は持っています。ミックス時にこれでもか!ってくらい大きくしたギターソロは必聴。

●背中
これも97年頃にはすでに原形は出来上がっていましたが、蔵出しはつい最近のこと。ヨシンバお得意のスローロックになっています。(ライブでは意識しすぎて更に重くなることもしばしば。) 人生を焦り始めた男が、彼女のおおらかさに癒されるという話。

●浮かび方
2003年に訪れたハワイ島でのパラダイス経験が下敷きとなって 出来上がったヨシンバ流グッドタイムミュージック。のんびりラヴィンスプーンフル風のつもりが、いつのまにか「ニルソン」、「トムウェイツ」「たま」等の影響が肥大していって奇妙なポップソングに仕上がりました。仮タイトルが「タマ・ウェイツ」ですもの。 朝倉による遊び心満載の打楽器類は必聴!

●エコー
3rdアルバム「足りないもの」のミックス作業の空き時間に空きスタジオが勿体ないということで始まったセッションの中から生まれた楽曲。当初は粘っこく歌い上げる『ルーファスウェンライトのようなバラード』をイメージしていましたが、バンドで消化していくうちにコステロやピンクフロイドの影響が反映されていきました。同時期に「ギルモア」という仮題の未発表曲もあり、いかにこのころフロイドに影響されていたかが伺えます。

●ソウルフル
デモの段階では気だるいフォーク調の曲だったのが、アレンジをするうちにあれよあれよという間にソウルフルに!そのアレンジもたった一日で骨格となる部分が完成しました。ヨシンバにしては珍しく時間がかからなかった楽曲で録音もファーストテイクで終了。CCRのようなロックバンドがゴリゴリ演奏するソウルをイメージしています。西村によるストリングスアレンジによりライブでは味わえない荘厳さが表現され、よりいっそうスリリング感が強調されています。

●スピード
名実ともに今のところヨシンバ最速のナンバー。鈴木のランニングベースフレーズが楽曲のイメージを決定づけました。それに呼応するように西村のピアノが、YMOの体操のようなミニマルなフレーズを奏でスピード感を増します。コーラス隊長の西村によるコーラス、8ビートの鬼・朝倉のドラムも必聴。

●夕暮れのワルツ
96年頃には原型が出来上がっていました。当時のヨシンバでは表現力が追いつかなくて即刻お蔵入りに。4人になって音数が減ったことで間を感じられるダイナミクスの大きい曲に仕上がりました。水が水として存在するためには、何か器が必要。僕が存在するためには何が必要なのか?そんなお話です。

●いいみたい
当初は、アコギをかき鳴らすようなニックロウ調のフォークロックをイメージしていましたが、バンドで練っていくうちにエレキをかき鳴らすハードなギターポップに仕上がりました。4人ヨシンバによる方向性の一つになりそうです。他人を信用していた男が裏切られて少しだけ自暴自棄になっています。

●曖昧な愛で
デモの段階ではアコギをつまびいてアシッドフォークの雰囲気を醸し出していた楽曲でしたがバンドで練る内にオールドロックな感じに仕上がっていきました。初期スティーリーダンやニールヤングなど、様々な要素が混在しています。恋愛の熱量は常にイコールではなく、どちらかが大きく膨れあがっていることが多い…。論理的思考よりも本能的欲求が勝ってしまうそんな曖昧な時期の男の話。

●木洩れ陽の停戦
4つ打ち8ビートのアレンジで1度は完成した楽曲でしたが、お蔵入りに。再度歌詞も書き変えアレンジも変え蘇りました。 『終戦』ではなく、『停戦』なのは、結局また同じ事を繰り返すに決まっているからです。笑。ケンカをするのも仲良きことです。